ジカウイルス感染症(ジカ熱)予防のポイント

2024年05月07日

平成27年(2015年)5月以降、中南米を中心に、「ジカウイルス感染症(ジカ熱)」が広がっています。主に蚊によって媒介され、感染しても症状が現れる人はおよそ2割にとどまり、ほとんどの場合は軽症で済みます。しかし、ジカウイルスに感染すると、稀にギラン・バレー症候群となったり、妊婦が感染すると生まれてくるこどもが小頭症などの障害を持ったりする可能性があることが分かっています。ジカウイルス感染症とはどんな病気?症状が出るのは感染者の約2割。デング熱と比較すると症状は軽いが、妊娠中に感染すると赤ちゃんに影響がでることも。

ジカウイルス感染症は、ジカウイルスに感染することによって発症する病気です。ヤブカ属のヒトスジシマカやネッタイシマカなどによってウイルスが媒介されて感染します。日本にはネッタイシマカは生息していませんが、ヒトスジシマカは本州以南では生息が確認されています。このほか、性行為を通じて感染した事例も報告されています。

【対策1】蚊に刺されない

自分が感染しないために、そしてほかの人に感染を広げないために、蚊に刺されないようにすることが大事です。特に妊娠中の女性は、蚊に刺されないように注意してください。
日本でも見られるヒトスジシマカは日中(特に、日の出前後の明け方と、夕暮れ時から日没後1時間から2時間の間が特に活発)にヤブや木陰などで活動しますが、場合によっては家の中に入ってきたり、夜間に血を吸ったりすることもあります。一方、海外で見られるネッタイシマカは昼間も活発に活動し、家の中に入ってきて血を吸うことが多いとされています。蚊が発生している地域や場所では、できるだけ次のような対策をしましょう。

【対策2】蚊の発生を抑える

ジカウイルスを媒介する蚊の発生を抑えることが大事です。日本にも生息するヒトスジシマカは主にヤブや墓地、公園などに生息し、日中に活発に活動します。水中に産卵しますが、沼や池のような広い場所よりも、狭い水たまりのような場所を好みます。例えば、屋外に置かれた植木鉢の受け皿や空き缶、ペットボトルなどに溜まった水、野積みされた古タイヤに溜まった水などにも好んで産卵し、孵化(ふか)した幼虫はそこで成長します。
こうした生態から、家の周囲を点検して不要な水たまりをなくすことが、ヒトスジシマカの発生を抑え、ジカウイルスの感染拡大を防ぐことにつながります。